自民党に歴史的大敗をもたらした民意を読み解く
マル激 (第1230回)
ゲスト小林良彰
慶應義塾大学名誉教授
慶應義塾大学名誉教授
2001年5月15日、長野県知事の田中康夫氏が「脱・記者クラブ宣言」を発した。この宣言に対する批判を大手メディアは発しているが、その批判は笑止千番な話がほとんどだと宮台氏は言う。
記者クラブには、クラブ会員の既得権益を守る為に官報よろしく、記者会見の垂れ流しの報道を行ってしまう事や、その排他性、調査報道の阻害などの様々な問題がある。
両氏はメディアの流動性が権力に対する最大のチェック機能となるというが、日本のメディアには人的流動性がない。パブリックが未熟な場合、所属する共同体と一体化してしまい、その利権を守る為に自らディバイドを構築してしまうからだ。
その場合、逆説的だが権力側がメディアの権限を削ぎ、自由のために必要な枠組みを作ることが1つの解決策となる。今回の宣言もそれに当たるのだが、欧米などではありえない話であるという。
そこまで日本の大手メディアの抱える問題は深刻なのか、考えた。