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2020年マル激総集編

コロナでどれだけ社会の劣化が進んでも、リンゴの木を植え続けよう

マル激トーク・オン・ディマンド マル激トーク・オン・ディマンド (第1029回)

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公開日 2020年12月26日

概要

 コロナで明け暮れた2020年が終わろうとしている。今年はコロナのために残念ながら恒例の公開収録の開催が困難なため、今年最後のマル激は神保・宮台の2人が、ゲスト抜きで2020年を振り返る回とした。

 マル激にとって2020年は波乱の幕開けとなった。1月最初の放送にカルロス・ゴーン氏の弁護人を務める弘中惇一郎氏を招き、春にも始まる予定だったゴーン裁判で問われている日本の人質司法の問題点や、来る裁判に向けての戦略を、無罪請負人の名を欲しいままにする強面弁護士の弘中氏に聞く予定だった。実際、番組は年末に収録し、あとは放送開始を待つばかりの状態だった。

 ところが年の瀬も押し迫った12月28日、ゴーン氏国外逃亡のニュースが飛び込んできた。予定通り裁判が開かれるかどうかも怪しくなってしまった以上、法廷戦略などを語っている弘中氏の番組をそのまま放送するわけにもいかない。そもそも新年早々の段階ではゴーン氏が本当にどこにいて、今どのような状態にあるのかさえわかっていなかった。弘中氏でさえ、国外逃亡の計画は聞かされていなかったのだ。そうした中、マル激は正月早々、急遽予定を変更して別番組を収録し放送した。

 僅か1年前のことだが、今となっては隔世の感を禁じ得ない。コロナの蔓延が始まる前、司法制度の劣化がその時の日本にとっては最大の課題の一つだった。4月には京都で司法問題を議論する国際会議「京都コングレス」が開催される予定だった。その後も司法を巡る動揺は続き、検察庁法の改正問題や黒川氏による賭け麻雀問題などで司法制度の劣化は更に明らかなったが、それもこれもすべてがコロナに上書きされる形となり、中々本質的な議論に発展しなかった。年末には袴田事件の再審が確定的となる最高裁の差し戻し判決や、黒川氏の賭け麻雀事件不起訴処分に対する検察審査会の起訴相当議決のニュースも飛び込んできた。(ちなみにマル激では今年、マル激本としては12冊目となる「暴走する検察・歪んだ正義と日本の劣化」(光文社)を7月に刊行している。)

 司法以外の分野に目をやると、コロナの流行が始まった後も、なぜか一向に増えないPCR検査の問題やアベノマスク、GOTO等々、日本の劣化を印象づけるできごとはコロナという非常事態下においても、止まることはなかった。

 しかし、人々の目がコロナに奪われている間も、国家100年の計に関わるといっても過言ではない種苗法の改正や、政策ではなく政局論のみに支配された出来レースの自民党総裁選(=日本の首相選び)、桜を見る会の検察と官邸と安倍事務所間の手打ち等々、日本の劣化は確実に加速している。

 そもそも人口あたりの病床数が世界一を誇る日本が、アメリカの100分の1程度しか感染者が出ていない現在の状況下で、既に医療逼迫が叫ばれていることの不自然さに、誰も疑問を持たない国に日本はなってしまった。

 また、菅政権が学術会議問題での不用意かつ稚拙な理論武装で完全に詰んでいた中、特捜検察が安倍元首相の事務所に事情聴取をしているとの読売のリーク報道一本で、学術会議問題も杉田官房副長官の辞任やむなしの状況も全てが一夜にして吹き飛んでしまった。その経緯を疑問視したり問題視する向きもないほど、日本は簡単に世論が操作されるちょろい国になってしまった。そもそも特捜部が、官邸の了解なしに元首相周辺の捜査に着手できるはずがないことは、メディアの司法担当者なら常識のはずだ。

 こうして見ていくと実に腹立たしいことは多いが、とは言え、それを自分たちが本来やるべき事をやらない理由にしてはならない。マルチン・ルターの言葉ではないが、「たとえ世界の終末が明日であっても、私は今日リンゴの木を植える」のだ。たとえ徒労に終わる可能性が高いとわかっていても、「so what?」と一人呟いて、自分はやるべきことをやる。自分へのリターンが期待できる時に行動を起こす人はいくらでもいる。問題はそうで無さそうなときに行動を起こす人がどれだけいるかによって、その国の方向性も未来も決まるのだ。

 先のマルチン・ルターの言葉は何年か前の年末マル激で皆さんにお送りした言葉だが、今年の年末マル激ではこの言葉を贈りたい。

 「何かになろうとする人は多いが、何かをやろうとする人は少ない。」

 とにかくつべこべ言わないで、やることをやろう。そしてあれこれ考えて何もやらないのではなく、やりながら考えよう。これが今から20年前にビデオニュース・ドットコムを起ち上げた時にわれわれが抱いた大志であり、それを胸に今年1年も、そしてこれからもビデオニュースは放送を続けていきたいと考えている。

 マル激20年目となり、無事第1000回放送を迎えることができた今年1年の、会員の皆様のご愛顧に深く感謝いたします。よいお年を。

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