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選挙買収を可能にしている公職選挙法と政治資金規正法を改めよ

マル激トーク・オン・ディマンド マル激トーク・オン・ディマンド (第1091回)

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完全版視聴期間 あと20日11時間18分
公開日 2022年03月05日

ゲスト

弁護士

1955年島根県生まれ。77年東京大学理学部卒。三井鉱山(株)勤務を経て80年司法試験合格。83年検事任官。東京地検検事、広島地検特別刑事部長、長崎地検次席検事、東京高検検事などを経て、2006年退官。08年郷原総合法律事務所(現郷原総合コンプライアンス法律事務所)を設立。10年法務省「検察の在り方検討会議」委員。著書に『「深層」カルロス・ゴーンとの対話:起訴されれば99%超が有罪となる国で』、『検察崩壊 失われた正義』など。

著書

概要

 いつから日本は選挙買収が当たり前にできる国になってしまったのか。

 先の参院選で広島選挙区を舞台に露骨な選挙買収が行われたことが明らかになった時、これは例外的なケースだと思われていた。あの時の参院広島は、当時権力を欲しいままにしていた安倍政権が、政権に対して批判的な発言を繰り返していた自民党現職の溝手顕正参院議員を蹴落とすために、2人目の自民党候補としてむりやり擁立した河井克行法相の妻・案里氏を何が何でも当選させるために、カネが湯水のごとく注ぎ込まれていたからだ。1億5,000万円とも言われる資金が投下された結果、案里氏は見事当選したが、その後、克行、案里夫妻は選挙買収の罪で逮捕・起訴され、有罪が確定している。

 ところが、どうやら広島は必ずしも例外ではなかったようなのだ。

 昨年の10月の衆院選では、新潟5区の自民党公認候補の泉田裕彦衆院議員が、後援者で「新潟のドン」の異名をとる星野伊佐夫県議から裏金を要求されたことを告発している。泉田氏は星野氏が、「とにかく必要経費を早くまこう。2千万や3千万のカネを惜しんで一生を投げちゃいけないよ」などと言いながら違法なカネの支出を求める様子を録音し、その音声を公開している。そしてこの2月、泉田氏は星野氏を刑事告発している。

 さらにここに来て、京都で衆参両院の選挙で大規模な選挙買収を疑わせる事例が表面化している。ここでは自民党の京都選出の衆参の全議員が党の京都府連に数百万から1,000万円あまりのカネを寄付し、それが50人からの府議、市議の関連団体に渡っていた。候補者が府議や市議に直接カネを渡すと買収に当たる恐れがあるためなのか、あえて府連を通すことでカネの出所を見えにくくする工作が行われていたことが疑われていることから、この事件は「京都マネロン疑惑」と呼ばれている。

 一連の事件ではカネを受け取った地方議員の多くが、「カネを受け取ったが買収はされていない」などと平然と語るなど、社会通念上は明らかな買収と思われる行為が、関係者の間では買収として認識されていなかったことがうかがえる点が、病理の深刻さを物語っている。いつの間にか日本の選挙が非常に根深いレベルで大きく歪められていたことが、いみじくも明らかになった。

 公職選挙法の選挙買収に詳しい弁護士の郷原信郎氏は、明らかに選挙で動いてもらうために支出されている事実上の買収資金が、「党勢拡大のため」の政治活動費として処理されることで、公職選挙法には抵触しなくなるという解釈がまかり通っている現状を問題視する。裏金や違法な資金でなくとも、選挙区のある自治体の首長や県議、市議に選挙に協力してもらうためにカネが支払われることが許されてしまえば、資金力のある候補者が圧倒的に有利になってしまう。これが民主主義の根幹を揺るがす問題であることは明らかだ。

 郷原氏は買収を規定している現行の公職選挙法199条が、選挙前の一定期間は候補者が後援者や後援団体に寄付をすることは禁止しているが、政党やその支部に対する寄付を禁止していないところに問題があることを指摘した上で、選挙前の一定期間は(例えば180日)は候補者が政党や政党支部に対する寄付を禁止するよう公職選挙法を改正すべきだと語る。

 また、政治とカネの問題に詳しい日本大学の岩井奉信名誉教授はビデオニュース・ドットコムのインタビューの中で、そもそもリクルート事件佐川急便事件で政治家個人への政治献金が政治を歪めていることが明らかになったことを受けて1994年に大改正が行われた現在の政治資金規正法が、30年近い歳月の流れとともに多くの抜け穴が作られるなどして形骸化している問題を指摘する。

 現行の政治資金規正法は政治家個人に対する企業・団体献金は禁止しているが、各選挙区に設けられた「政党支部」なる政治資金団体が事実上、その選挙区の現職議員個人のお財布として利用できる建て付けになっている。政治資金団体に対しては企業や団体から最大で1億円までの献金が合法的に可能になっていることから、政治家個人に対する「企業団体献金の禁止」という法律の当初の目的がまったく果たせなくなっているのだ。

 結局のところ、解釈によって選挙の買収資金が党勢拡大のための政治活動費になってみたり、「政党支部」という名の政治家個人に対する合法的な献金になってみたりというナンセンスが繰り返される中で、広島のようにちょっとそれをやり過ぎると時折、法の裁きが下るというような、自動車のスピード違反の取り締まりのようなことを繰り返していては、恒常的に民主主義が歪められてしまうばかりか、有権者の政治不信は増すばかりだ。

 そろそろザル法化している政治資金規正法を見直し、政治家側の都合によって政治資金規正法と公職選挙法を使い分けられたりする現状を変えるべき時が来ているのではないか。

 今週は郷原弁護士とともに、選挙買収を可能にしている現行の公職選挙法と、ザル法化している政治資金規正法の問題点を再検証した上で、何をどう変えるべきかなどについて、ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。

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