日本の次の総理を決める選挙でアベノミクス継承の是非を問わずにどうする
東京大学名誉教授
完全版視聴期間 |
2020年01月01日00時00分 (期限はありません) |
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憲法シリーズの第3回は、護憲のシンボル的存在として知られる前社民党党首の土井たか子氏を招いた。土井氏は、周知の通り平和主義を謳う憲法第9条の改正に強く反対している。冷戦が終わった今こそ、9条が謳う崇高な平和理念を実現するチャンスが来ているというのが、土井氏の主張だ。
しかし、そうした土井氏の主張に対しては、常に理想主義的、非現実的との批判が伴う。
また、土井氏と意見を異にする改憲論者の中には、平和主義の実現のためにこそ、改憲が必要と主張する人たちもいる。その一人宮台氏は、戦力を保持できない9条の下で、既にイラクやインド洋に自衛隊が派遣されている以上、もはや9条は実効性を失っている。アメリカの言うがままに自衛隊の海外派遣まで行っている現状に歯止めをかけるためには、9条を改正した上で、新たな実効性のある歯止めを設ける必要があると主張する。
しかし、土井氏は現行の憲法を守れない国が、憲法を改正したところで新たな歯止めが有効に機能すると考えるのは現実的でないと反論し、むしろ、現憲法を維持しながら、対米追従外交からアジアの多国間外交へ移行する日本の外交政策の修正を優先すべきだと主張する。
なぜアメリカ追従一辺倒に歯止めをかけ、平和主義を実現するという共通の目的を持ちながら、両者はその実現方法において180度袂を分かつ結果になるのか。違いはどこにあるのか。改憲論争の根幹に触れる争点を、護憲派の雄土井氏と共に考えた。