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2014年09月27日公開

基地問題の先にある沖縄の姿

マル激トーク・オン・ディマンド マル激トーク・オン・ディマンド (第703回)

完全版視聴について

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完全版視聴期間 2020年01月01日00時00分
(終了しました)

ゲスト

作家・沖縄大学客員教授

1958年大阪府生まれ。大学卒業後、編集者などを経て2014年より現職。96年より沖縄県那覇市在住。著書に『ほんとうは怖い沖縄』、『沖縄学』、共著に『これが沖縄の生きる道』など。

著書

概要

 今回お送りする沖縄出張収録の特別編第2弾では、沖縄県知事選挙後の沖縄の課題を、沖縄在住の作家で沖縄大学客員教授の仲村清司氏を交えて議論した。
 沖縄は11月16日の県知事選を前に、米軍普天間基地の名護市辺野古沖への移設問題を巡り、再び大きく揺れている。県外移設を公約して当選した現職の仲井真知事が、昨年12月に辺野古の埋め立て工事を承認したことで、基地建設反対派との対立が激しさを増しているからだ。
 既に3選出馬を表明している仲井真知事は、昨年12月に東京で安倍総理らと会談した後、年間3千億円規模の沖縄振興策と引き換えにそれまでの公約を反故にして、埋め立て工事を承認した。辺野古の基地建設を事実上受け入れたのだ。その後、安倍政権は辺野古沖の基地建設に向けた行政手続を粛々と進めている。
 そうした中、9月20日には辺野古の浜で、基地建設に反対する大規模な市民集会が開かれ、これまでとかく分裂を繰り返してきた野党勢力が反仲井真の旗の下、一つにまとまる機運が盛り上がっている。
 両親が沖縄出身ながら、自身は大阪で生まれ育ったというゲストの仲村氏は、今回の知事選に向けた沖縄県内の動きについて、反対派が一つにまとまる流れが出来つつあると、期待を寄せる。確かに、辺野古の反対集会には、家族連れや同窓生グループなども多く参加しており、従来の組合や団体系が中心となった運動を越えた、新しい潮流が感じられた。
 選挙の結果はわからないが、仮に反対派が選挙に勝利したとしても、ただ基地に反対するのではなく、その先、沖縄をどうするかを考えることが、今の沖縄には必要だと仲村氏は言う。
 これまで沖縄の政治は基地は存在し続けるという前提の上で、すべてが成り立ってきた。その最たる例が、仲井真知事が安倍政権から引き出した3千億円規模の振興策だった。沖縄にとって沖縄の生きる道は、常に中央政府からどれだけのお金を引き出せるかにあった。
 しかし、仲村氏は、4~5年ほど前から、特に若い世代で、政府からお金を貰うことが本土の人の目にどう映っているかを気にする人が増えてきたと感じるという。戦争で大変な惨禍を経験し、その後、米軍による統治に苦しみ、更に在日米軍基地の4分の3を引き受けている沖縄は、政府からカネをもらって当然という空気が長年支配的だったが、それが変わりつつあるというのだ。
 仲村氏は、その理由の一つに、いわゆる沖縄ブームがあるという。沖縄の伝統文化や音楽などが、本土でも広く認知を受けるようになったことで、沖縄のとりわけ若い人たちの間で、もっと沖縄的なものを誇っていいのだという感覚が広く共有されるようになってきたという。特に、昨年末に仲井真知事が安倍政権から、埋め立て承認の引き替えに大型の振興策を引き出したことを受けて、「いい正月になる」と表現したことには、強い反発を感じる市民が多かったと仲村氏はいう。
 あの小さな島に振興策の名目で多額の資金が注ぎ込まれれば、一部の企業や経済団体の懐は肥えるかもしれない。しかし、果たしてそれで沖縄は本当に豊かになれたのだろうか。
 一方で、この先、沖縄がカネと引き替えに基地を受け入れる構図から抜け出すことができるとすれば、そこにはどのような沖縄のビジョンがあり得るのだろうか。基地問題の先にあるこれからの沖縄の可能性を、ゲストの仲村清司氏とともにジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。

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