2004年8月20日
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美浜原発事故を関電問題で終わらせていいのか

槌田敦 名城大学教授 (熱物理学・環境経済論)
マル激トーク・オン・ディマンド 第178回

  死傷者11人を出した美浜原発事故では、破裂した配管の点検を怠った関電の杜撰な管理体制に責任の追及が集中している。
  しかし、名城大学の槌田敦教授は、今回の事故は、単なる一電力会社の管理能力を越えた、原発の安全性の本質に関わる重大な事故だったと指摘する。
  今回の事故は、冷却水の喪失によって最終的に炉心の溶解(メルトダウン)にさえつながる可能性があった。また、事故発生直後に冷却水を流出させないための隔離弁が閉じなかったり、補助給水ポンプの弁が正常に再作動しないなど、今回の事故は単なる配管の破裂にとどまらない重要な要素を多く含んでいる。
  実際、原発の安全性を確保するために最低限必要とされる検査を全て行うためには、原子炉を1年間以上も停止する必要があり、それは原発推進の根底にあった原発のコスト優位論を根底から覆すことになると、槌田教授は説く。今後も原発を維持するために、日本はどれだけの費用やリスクを覚悟しなければならないのか。現在のエネルギー供給を維持するために原発以外の選択肢はあり得るのか。原発問題を経済的観点から考えてみた。

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