もう牛肉を食べても本当に大丈夫か

マル激トーク・オン・ディマンド マル激トーク・オン・ディマンド (第259回)

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公開日 2006年03月17日

ゲスト

青山学院大学理工学部教授

1959年東京都生まれ。82年京都大学農学部卒業。87年京都大学大学院農学研究科食品工学専攻博士課程修了。農学博士。88年ロックフェラー大学ポストドクトラル・フェロー、89年ハーバード大学ポストドクトラル・フェロー。91年京都大学食糧科学研究所講師、94年同助教授、01年京都大学大学院農学研究科助教授を経て、04年より現職。著書に『生物と無生物のあいだ』、『できそこないの男たち』など。

著書

概要

 米国からの牛肉輸入再開への圧力が強まっている。米政府は背骨の混入は特殊なケースであるとする一方で、現在の日本の安全基準が国際基準と比しても突出して厳しいことを指摘し、早期の輸入再開が実現した後には、輸入基準の緩和を求める姿勢を明確に打ち出している。
 全頭検査と全月齢の牛からのSRM除去を義務づけている現在の日本の安全基準は、はるかに多くの狂牛病(BSE)感染牛を出しているEU基準と比べても遙かに厳しい。しかし、プリオン病発症のメカニズムを研究する福岡伸一氏は、人類はまだ狂牛病の病原体すら特定できていないのが実情で、狂牛病については不明な事だらけであるとした上で、プリオンが病原体でることを前提とする昨今の安全基準緩和論は危険であると説く。
 事実、1990年代に突如として米国のプルシナー博士が提唱したプリオン病原体説は、未だにコッホの病原体の三原則すら満たしておらず、理論的にも飛躍が多い。プリオンはあくまで病原体の足跡であって、病原体そのものではない可能性が排除できないのだ。しかし、プルシナーによってプリオン説を裏付ける状況証拠が続々と提示される一方で、ウイルス説やバクテリア説を裏付ける有力なデータが出てこなかったために、プリオン説があたかも定説であるかのような扱いを受けるに至った。そして、97年にプルシナーがノーベル賞を受賞したことで、プリオン説に異議を唱えること自体がタブー化しているというのが実情なのだ。
 「狂牛病は人類が自然の摂理に反した行為を行った結果生まれた病気であることを、今一度再認識すべきだ。」福岡氏はそう指摘し、狂牛病を抑えることと同時に、なぜそのような病気が発生したのかについて、その根本原因を考える必要性を強調する。
 プリオン説はどの程度説得力があるものなのか、もしプリオンが病原体ではないとすれば、現在の安全対策で安全性は担保できているのか。狂牛病が鳴らしている警鐘とは何なのか。福岡氏とともに考えた。

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