なぜ普天間問題がこじれるのか
衆議院外務委員長
1948年北海道生まれ。70年拓殖大学政治経済学部卒業。中川一郎衆院議員秘書を経て、83年衆議院初当選(旧北海道5区・自民党)。北海道・沖縄開発庁長官、内閣官房副長官などを歴任。02年自民党離党。05年新党大地を結成し代表に就任。02年6月斡旋収賄罪などで逮捕・起訴され、04年11月東京地裁で懲役2年の実刑判決、現在最高裁に上告中。当選8回(衆院比例・北海道ブロック)。著書に『汚名 国家に人生を奪われた男の告白』など。
先の衆院選で復活当選を果たした「ムネオ」が、早速暴れ始めている。「疑惑の総合商社」と揶揄された後、あっせん収賄などの罪で有罪判決を受け控訴中の身の鈴木氏ではあるが、外務省に対して職員手当、プール金や裏金疑惑など関する28件の質問主意書を立て続けに送りつけるなど、まずは自分を「刺した」外務省と対決の姿勢を鮮明にしている。
また、小泉構造改革についても異を唱え、地元北海道は依然として公共工事を必要としていると訴える。
一見地元への利益誘導しか頭にない典型的な守旧派政治家のようにも見える鈴木氏だが、その一方で、ロシアと独自の外交ルートを開拓することで「対米追従外交」へのアンチテーゼを提供していたり、地方にも優しい政治を提唱することで弱者切り捨てと批判される「小さな政府」路線を戒めてみたりと、実は鈴木氏の主張には重要なメッセージが含まれているようにも見える。
ならば、なぜ鈴木氏のこうした主張は受け入れられないのか。このような主張を続けることで、鈴木氏は誰を敵に回しているのか。鈴木氏が踏んだとする「虎の尾」とは何だったのか。2年前の番組出演から胃がん手術、参院選落選を経て国政に復帰した鈴木議員に、その熱い思いを聞いた。