相次ぐ日本企業の不祥事の根底にある「黒い空気」の正体

ゲスト菊澤研宗
慶應義塾大学名誉教授
慶應義塾大学名誉教授


2001年、2月10日ハワイ沖で宇和島水産高校の実習船「えひめ丸」が米海軍の潜水艦と接触し、大勢の死者を出すという事故が起きた。目下、日本の世論の注目は「グリーンビル」艦長のワドル氏が謝罪するのかどうかに集まっている。なぜワドル艦長は謝罪をしないのか。
日本のマスコミは世論を煽り、ワドル船長の謝罪を要求しているが、アメリカで謝罪をすることは、すべての責任を負う意思を示すことを意味する。それを知った上でメディアはそのような煽りを行っているのだろうか。
今回の潜水艦事故を機に、謝罪に対する日米の意識の違いと、それを無視して同一の基準を強いる日本のメディア体質について考えた。