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リベラルが勝つためにまずやらなくてはならないこと

マル激トーク・オン・ディマンド マル激トーク・オン・ディマンド (第1077回)

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公開日 2021年11月27日

ゲスト

専修大学法学部政治学科教授・政治学者

1962年東京都生まれ。85年立教大学法学部政治学科卒業。94年早稲田大学大学院政治学研究科博士後期課程単位取得退学。政治学博士。立教大学法学部助手、日本学術振興会特別研究員、専修大学法学部助教授を経て、2008年より現職。著書に『なぜリベラルは敗け続けるのか』、『言葉が足りないとサルになる』など。

著書

概要

 今、日本の政治は、立憲民主党の枝野幸男代表が総選挙敗北の責任を取り辞任を表明したことを受け、その後任を選ぶための選挙戦のただ中にある。しかし、最大野党の党首を選ぶ選挙が行われているにもかかわらず、世の中の関心はいたって低いようだ。そんな選挙があることすら忘れている人も多いのではないか。確かに今回の代表選に出馬している4人の候補者がいずれも知名度の高いとは言えない政治家であることもその一因だろうが、何と言っても一般有権者の立憲民主党に対する期待感があまり高まってこないのだ。

 最大野党とは言っても、最新の世論調査によると、立憲民主党の支持率は日本維新の会にも大きく引き離されている状況で、日本におけるリベラル勢力の先行きはかなり厳しそうだ。実際、2012年の総選挙で政権から転落して以来、日本のリベラルはとにかくひたすら選挙に負け続けているのが実情なのだ。

 リベラルを自任し、著書『なぜリベラルは敗け続けるのか』などを通じて、日本におけるリベラル勢力の問題点を厳しく指摘してきた政治学者の岡田憲治・専修大学法学部教授は、今回の選挙でも当初追い風だと言われていた立憲民主党は、負けるべくして負けたのだと語る。いや、2012年以来、リベラル勢力がことごとく選挙で負け続けているのは、負けるに相応の理由があるからだと岡田氏は言うのだ。

 政治学者であり、自身も積極的に政治活動に関与することで、実際の政治の現場の実態をよく知る岡田氏は、リベラルが負け続ける理由として、「政治決断ができず、ためにする議論ばかりしている」、「経済より理念上の平和人権を重視している」、「正しさを振り回すことで仲間を遠ざける」、「内向きで内部抗争を繰り返している」、「綱領と公約の区別がついていない」などを挙げる。そして、そうした批判は単にリベラル派の政治家だけでなく、リベラル勢力を支持する「自称リベラル」の有権者にも向けられている。

 自民党は政策的には民主党に負けないほど多岐に渡るさまざまな考え方の政治家を内包しているし、公約や政策の整合性などもでたらめだが、いざ選挙となると実に統制が取れた一枚岩となって戦うことができる政党だ。それと比べて民主党は、まったく政治の本質を理解していない子供の政治をやっていると岡田氏は言う。要するに、子供が大人に勝てるはずがないのだ。

 岡田氏はリベラルが今の負け癖を返上し、勝ちパターンに転じるためには、まず何よりも自分たちが「大人」になることで、政治というものが議論のための議論をしたり、正論で相手を言い負かすことが目的なのではなく、法律を作って国民にそれに従ってもらうことこそが政治の本質であることを理解しなければならないと説く。それは何も難しいことを要求しているのではなく、例えば、どうすれば仲間を増やせるかとか、自分自身の正しさに酔わないこととか、小異を捨てて大同につくことを覚えることなどの、むしろ基本的な人間力と言ってもいいようなことだが、得てしてリベラル派の人間はそれができていない人が多いのだと岡田氏は言う。

 自民党もその政策集には、細かい政策が山ほど載っている。そのほとんどは党内でコンセンサスが取れているわけではない。ましてや連立のパートナーの公明党とは政策はもとより、理念的な差異すら大きい。しかし、その自民党が選挙では一枚岩となって戦うことができている。それは彼らが政治の本質をリベラル勢力よりも理解できているからに他ならない。

 コップの半分の水のたとえではないが、例えば50%の政策が一致していれば次の選挙まで共闘するために十分な共通政策があるはずだが、なぜかリベラルは残る50%の違いにこだわってしまう。50%は疎か8割方政策が一致している相手に対してさえ、「あいつとは死んでも一緒にやりたくない」と考えてしまうのがリベラルの特徴であり大きな弱点となっていると岡田氏は言う。

 「綱領」と「公約」の区別がつかないことも、リベラルの大きな足枷になっている。次の選挙までに実現すべき「公約」で合意できれば十分に共闘を張れるはずなのに、綱領や公約にしていない政策での差異にこだわる人がリベラルの政治家にも、また有権者にも多い。原発政策での不一致が、遂に民主党勢力の再分裂まで引き起こしてしまったが、原発政策で次の4年間にできることなど、どこの政党がやってもほとんど変わらない。それを、20年先の原発政策を巡る考え方の違いゆえにリベラル勢力を分裂させてしまうのは、単に愚かでしかない。

 現行の選挙制度の下では、野党も常に次の選挙までに何をするかについて「公約」で合意できる集団が協力して選挙戦を戦わなければ勝負にならない。そこには立憲も国民民主も社民も共産もないのだ。

 岡田氏の指摘するリベラルの問題点を改めれば、直ちにリベラル勢力が有権者の支持を伸ばせるというほど、事態は簡単ではない。しかし、ここで指摘されている問題点を改めずして、リベラルに対する支持が大幅に拡がることはまず考えにくい。つまりここに示されている諸条件は、リベラルが勢力を伸ばし、再び政権を勝ち取るための十分条件ではないが、少なくともこれが最低限の必要条件であることを心得る必要があるだろう。

 今週はなぜリベラルは負け続けるのか、どうすればリベラル勢力は支持を拡げることができるのか、このままリベラルが党勢を回復できなければ日本はどうなっていくのかなどについて、政治学者の岡田憲治氏と、ジャーナリストの神保哲生、社会学者の宮台真司が議論した。

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