年末恒例マル激ライブ 腐りきったシステムに依存しない生き方のすすめ

マル激トーク・オン・ディマンド マル激トーク・オン・ディマンド (第977回)

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公開日 2019年12月28日

概要

 2019年最後のマル激は、12月22日に東京・大井町のきゅりあんで行われた『神保・宮台年末恒例マル激ライブ』の模様をお送りする。

 恒例となったマル激年末ライブだが、今年は会場の雰囲気も講演者の側も、普段より明るかった。マル激はとかく悲観論に過ぎると言われがちだが、マル激は悲観論は10年前に卒業し、もっぱらその後のことを考えてきた。もし最悪後を展望するマル激での議論が悲観論に見えるとしたら、それはその方がまだ最悪の事態が不可避であるという現実を受け入れられていないからではないか。

 実際、マル激では番組放送開始直後から、このままでは取り返しがつかないことになるという話を10年ほどやり続け、日本の政治、経済、社会全般における本質的な改革の必要性を強く訴えてきた。最初の10年間は悲観論だったかもしれない。

 しかし、番組20年の歴史の中のほぼ折り返し地点となる2011年3月に起きた東日本大震災・福島第一原発事故とその後の政府並びに日本社会の対応を目の当たりにして以降は、「もはや日本は行くところまで行くことが避けられない」との見通しを明確に打ち出した。悲観論はそこでピークを迎えると同時に完了しており、その後の番組では「最悪の迎え方」と「最悪後を考える」など、最悪の時点からの浮上するための方法を考えることに力を注いできた。その意味で、マル激は下り坂をひた走る日本にあって、恐らく最も前向きな報道番組と言っても過言ではないだろう。それがやっと視聴者の方々にも共有されてきたとすれば、嬉しい限りだ。

 今回のマル激ライブでは、もはやシステムが腐りきっていることはわかりきっているのだから、いつまでもそんなシステムに依存しながら文句を垂れていないで、それを治す努力をするか、もしくはそれに依存しない生き方を模索すればいいではないか、というテーマで議論をした。

 企業でも国でも同じかもしれないが、組織が疲弊し末期症状を呈すようになった時、その中では皆が力を合わせてなんとか船が沈まないよう努力をしていると思いきや、多くの場合、実態はその正反対で、船の中ではくだらないつばぜり合いや保身、責任の擦り付け合いばかりが横行しているものだ。船自体が沈みかけているというのに、何とかその船の中で上の方にあがろうと必死になって座席争いをする人が、むしろ増え、実際そういう輩が末期症状を呈している社会では、上の方にあがっていくものなのだ。

 中がそんな状態だから、当然、船の沈没を防ぐ施策や能力をもった人物を船頭に選ぶことなどできようはずもない。船頭までが先を争って、自らの座席争いを先導する始末だ。

 問題は船は沈んだら船としての役目は終わるが、一国のシステムが沈んでも、日本という国は残るし、この国の国土も人々も、そしてその社会も厭が応にも存続していくことだ。いかざるを得ない。だから、われわれはどうしても未来への責任も考えていかなければならない。もうどうせダメだからと、自分の生きている時間に社会が変わることへの期待を諦めるかどうかは各人の勝手だが、何人たりとも未来への責任から逃れることはできない。

 依存には肉体的な依存と精神的な依存がある。システムへの肉体的(物理的)な依存を減らしていくことで、システムの腐敗や堕落から自分の生活や一生を切り離すことが可能になる。また、システムは価値で人々を縛り付けることでシステムとしての一体性を維持しようとするが、システムへの物理的な依存度を減らすことによって、知らず知らずのうちにシステムが自分を縛ってきた、実は大した根拠のない価値体系からも、より自由になることができるはずだ。それは学歴かもしれないし、年収かもしれない、住んでいる場所や社会的地位だの、何だのかんだの色々あるだろう。本当にそんなことが自分にとって一番大切なことだったのだろうか。

 2019年最後となるマル激では、迫り来る「最悪後」を念頭に起きつつ、それを迎えるに当たっての心構えやそこから浮上するためのヒント、腐り切ったシステムから自分や家族を守るための「システムに依存しない生き方」とは何かなどを、ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。

 皆様、よいお年を。

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