特措法と感染症法の刑事罰導入は百害あって一利なしだ

ゲスト米村滋人
東京大学大学院法学政治学研究科教授・内科医
東京大学大学院法学政治学研究科教授・内科医

2001年9月11日、アメリカで旅客機による同時多発テロが発生し、世界が震撼した。
テロ自体は許せない非人道的暴力行為であることは言うまでもないが、なぜこのような事態にまで至ったかについては、冷静な検証と判断が必要だ。
アメリカの対外政策に問題はなかったのか、途上国を搾取の対象としてしか見ず、貧困や国際格差を放置してきた先進国のあり方は正しかったのか。
報復一辺倒に傾きそうな不穏な空気の中で、非難を覚悟の上で、あえて言うべきこと、考えておくべき事を考えてみた。