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ウクライナで戦争が起きた理由とそれがなかなか終わらない理由

マル激トーク・オン・ディマンド マル激トーク・オン・ディマンド (第1133回)

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完全版視聴期間 あと54日3時間36分
公開日 2022年12月24日

ゲスト

東京大学先端科学技術研究センター専任講師

1982年千葉県生まれ。2005年早稲田大学社会科学部卒業。07年同大学大学院政治学研究科修士課程修了。外務省国際情報統括官組織専門分析員などを経て22年より現職。著書に『ウクライナ戦争』、『現代ロシアの軍事戦略』、『ロシア点描 まちかどから見るプーチン帝国の素顔』など。

著書

概要

 クリスマスのイルミネーションで街は賑わっているが、世界ではクリスマスはおろかその日一日をなんとか生き延びようとしている人々が大勢いる。

 その一つが戦時下にあるウクライナだ。

 今日のクリスマスイブ、ウクライナはロシアがウクライナに侵攻を開始した2月24日からちょうど10か月目を迎える。発生直後は多くの人が衝撃を受け、メディアでも大きく取り上げられたこの戦争も、300日も経つうちに日本では遠い出来事のように受け取られ始めていないだろうか。

 そこで2022年の最後から2番目となるマル激では、東京大学先端科学技術研究センター専任講師でロシアの軍事問題の第一人者である小泉悠氏とともに、あの日なぜウクライナで戦争が始まり、そしてなぜそれが今も続いているのかなどを、あらためて問い直してみたい。

 この戦争が厄介なのは、なぜロシアのプーチン大統領がウクライナに軍事侵攻を行う決断を下したのかが、専門家にもはっきりとは分からないことだ。戦争が始まる前、ロシアの専門家たちがことごとく「ウクライナへの軍事侵攻はない」と断言していたのを見てもわかるように、この戦争はロシアにとってリスクが大きい割に、得るものが少ないため、常識的に考える限り、本来は起きるべき戦争ではなかった。なぜ戦争が始まったのかが分からないので、どうすれば終わらせられるのかも見えてこない。

 しかし、ここまでのロシアの戦いぶりやプーチン大統領やロシア政府関係者の発言などを通じて、おぼろげながらロシアが軍事侵攻に至った背景やプーチンの真の動機などが見えてきた。

 この戦争の原因については、これまで色々なことが言われてきた。中でも一定の説得力を持って受け止められてきたのは、NATOの東方拡大を脅威に感じたロシアが、ウクライナのNATO加盟だけは阻止しなければならないと考え、最後の手段に出たというものだ。しかし、小泉氏はNATO問題だけでは今回の軍事侵攻は説明がつかないと指摘する。小泉氏によると、NATO問題はロシアが言い訳としてあげている面が強く、元々ソ連時代は同じ国を形成し、ロシアと民族的にも文化的にも同質性が高いウクライナが、ロシアに背を向け西側陣営の一員になってしまうと、西洋化、そして民主化の波がいよいよロシアにも及ぶかもしれないことへの恐怖心がプーチンにはあり、それがウクライナを軍事的に支配しなければならないという結論にいたった背景にあったのではないかと小泉氏は言う。日本に住むわれわれにとっては、ロシアもヨーロッパも西洋の一部だが、ロシアにとってはヨーロッパ的なるものは自分たちとは異なる文化だとの意識が強いのだという。

 しかし、この戦争のもう一つの謎は、いざ戦争が始まれば、軍事力で圧倒するロシアが短期間でウクライナを倒し早期に戦闘は終結するだろうという当初の予想が全く外れてしまっていることだ。それどころか今年の後半にはウクライナが反転攻勢に出て、一度は失った国土を次々と奪還しているという。

 小泉氏はウクライナ軍の予想外の強さを、19世紀の軍事学者カール・フォン・クラウゼヴィッツの「三位一体」論を引き合いに出して説明する。クラウゼヴィッツの三位一体論とは、近代国家間の戦争は「国家」、「軍隊」、「国民」が三位一体になったものという考え方で、今回の戦争ではロシア側は国民の支持が弱く三位一体が成立していないのに対し、自国を侵略されたウクライナにはこの条件が揃っているため、武器や装備で劣っていても、予想外の強さを発揮しているという。

 また、小泉氏はロシア側にいくつかの大きな誤算があったことも指摘するが、それにしても一方的に正当性に疑義がある戦争を始めた挙げ句、想定外の苦戦で戦争が泥沼化する中で、ウクライナでは国土が荒廃し人々は塗炭の苦しみを味わい続けなければならない一方で、ロシアも嵩む戦費と国際的な経済制裁によって日に日に国力を落としていくという、誰にとっても不幸な戦争はいつまで続くのだろうか。

 プーチンの戦争の究極的な目的が、小泉氏が指摘するようなウクライナを政治的、文化的にロシア勢力圏に留めておくことだとすれば、それはウクライナにとっては到底受け入れられない条件となる。だとするとこの戦争は軍事的に勝敗が決着するか、どちらかの国で政変が起き、政治体制が変わる以外には、出口が見えてこない。独裁体制を築いたプーチン政権が倒れる可能性というのは今のところ考えにくいが、アメリカを始めとする西側陣営としても、ウクライナが負け、軍事侵攻したロシアが得をするような結末は、中国を始めとする他の拡張主義的な国々に対して過ったメッセージを送ることにもなり、到底容認できない。それではどん詰まりだ。残念ながらこの戦争の出口が未だに見えてこない。

 プーチンは何のために軍事侵攻を強行したのか、軍事力では優位なはずのロシアがなぜここまで苦戦しているのか、どうすればこの不毛な戦争を終わらせることができるのかなどについて、小泉氏とジャーナリストの神保哲生、社会学者の宮代真司が議論した。

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