ガン大国日本で食品添加物が選挙の争点にならない不思議

マル激・トーク・オン・ディマンド マル激・トーク・オン・ディマンド (第952回)

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公開日 2019年07月06日

ゲスト

食品評論家

1945年岡山県生まれ。九州大学大学院農芸化学専攻科修了。京都大学薬学部研究生、製薬会社勤務を経て現在、株式会社ウエル研究顧問。著書に『食品添加物用語の基礎知識』、『コンビニ&スーパーの食品添加物は死も招く』など。

著書

概要

 今や日々の食生活は食品添加物抜きには考えられないと言っていいほど、われわれの回りには食品添加物が溢れている。食パンを買えば乳化剤やイーストフード、香料、酸化防止剤などの添加物がもれなくついてくるし、コンビニのおにぎりや鮭弁当には加工でんぷんやpH調整剤、カラメル、グリシン、膨張剤などがふんだんに使われている。

 食品添加物とは食品を加工する際に保存性を高めたり、色や味や香りやとろみなどをつけるために添加される化学物質のこと。形の上では法律で463品目の指定添加物のほか3,000品目を超える香料など、安全性が確認された物質だけが食品添加物として利用できることになっているが、現在、市販されている食品の中には、発がん性や催奇性などが疑われる添加物が使われているものが多く含まれていると、食品メーカーの技術顧問で食品評論家の小薮浩二郎氏は指摘する。

 実際、品目として指定されている添加物は4,000品目前後だとしても、それぞれの品目の中に多いものでは数十から数百種類の化学物質が含まれるものがあり、現在、食品に使われている添加物の総数は「誰にもわからない」(小薮氏)のが実情だそうだ。

 例えば、食品添加物としてよく使われている「乳化剤」ひとつをとってみても、物質としてはグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルなど色々な種類の物質が使われている。中には有害性が疑われるために海外では使用が禁止になっていたり、制限がかかっているものもあるが、食品表示としては「乳化剤」の一括表示で法律上の表示基準は満たしているため、実際に何が使われているかを消費者が知ることは難しい。

 小薮氏は食品添加物の問題として2つの点を指摘する。ひとつは、食品添加物は使用が可能になるためには安全性確認のための臨床試験が必須となるが、その際に動物実験しか行われていないことだ。医薬品が認可を受けるためには、動物実験で安全性が確認された後で、人間を対象にした臨床試験も行われるし、発売後も副作用の有無などが医師らによって継続的にモニタ-される。食品添加物が、より多くの人が長期にわたり大量に摂取する可能性が高い化学物質であることを考えると、現在の基準では安全性確認が十分とは言えないと小薮氏は言う。

 小薮氏が指摘するもう一つの問題点は、食品表示法で求められている内容表示を見ても、実際に何が入っているかを知ることができなくなっていることだ。実際には色々な化学物質が入っていても、乳化剤、酸化防止剤、増粘多糖類、pH調整剤、膨脹剤、香料などの表現で一括して表示することが認められており、実際に何が入っているかを消費者が知ることは難しい。

 『長生きしたければ、原材料表示を確認しなさい!』と題した本の著者でもある小薮氏は、内容表示の方法は不十分かもしれないが、それでも食品の原材料表示、とりわけ添加物の表示はこまめに確認し、オブラートで包んだような表現の「本当の意味」を読み取れるようになることが大切だと説く。

 しかし、今や2人に1人がガンになる時代とまで言われるガン大国の日本で、発がん性が疑われる物質が食品に添加されている可能性があり、それを消費者が知ることができなくなっていることには違和感を禁じ得ない。

 この4月に食品添加物表示制度に関する検討会が設置され、毎月1回のペースで添加物表示のあり方を検討しているが、これまで表記のさらなる簡略化を求める事業者側の利益を代弁する意見が多く出されている。この問題に政治やメディアや市民社会が十分な関心を示さないまま放置すれば、食品表示制度の更なる「簡略化」が進み、消費者は摂取したくない化学物質を避けること自体が困難になる可能性もある。

 食品添加物の安全基準の強化と見える化の必要性を訴える小薮氏と、ジャーナリストの神保哲生、社会学者の宮台真司が議論した。

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