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2023年09月08日公開

「地球沸騰」が始まった世界でわれわれが今すべきこととは

セーブアース セーブアース (第12回)

完全版視聴について

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完全版視聴期間 2023年12月08日23時59分
(終了しました)

ゲスト

東京大学未来ビジョン研究センター教授、国立環境研究所地球システム領域上級主席研究員
その他の放送 (2件)

1970年神奈川県生まれ。92年東京大学教養学部卒業。97年同大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。同年、国立環境研究所入所。地球環境研究センター温暖化リスク評価研究室長などを経て、22年より地球システム領域上級主席研究員。16年より社会対話・協働推進室長も兼務。21年東京大学総合文化研究科広域科学専攻客員教授、22年より東京大学未来ビジョン研究センター教授。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次、第6次評価報告書主執筆者。著書に『異常気象と人類の選択』、『地球温暖化の予測は「正しい」か?』、共著に『温暖化論のホンネ – 「脅威論」と「懐疑論」を超えて』など。

著書

司会

概要

 今年は世界的に酷暑の夏だった。今年7月、世界の1日の平均気温が観測史上初めて17度を超え、国連のグテーレス事務総長は7月27日、「地球沸騰の時代が来た」と警鐘を鳴らした。これはこの7月が過去12万年で最も暑い月だったことを意味する。近年はラニーニャ現象の影響で海水温が下がり気温上昇が抑えらる傾向にあったが、今年7月にはエルニーニョ現象が発生し海面水温が上昇したことも、気温上昇に大きく影響している。IPCCの第5次、第6次評価報告書の執筆者で、東京大学未来ビジョン研究センター教授の江守正多氏は、観測史上最高の気温は、人間が引き起こした気候変動に自然変動が加わった結果だったとの見方を示す。

 また江守氏は、今は真冬の時期を迎えている南極の氷床面積が例年のように増えていないことを指摘したうえで、地球温暖化が新たなフェーズに入った可能性を懸念する。

 今年は世界各地で山火事が相次いだ。発火の原因は様々だが、江守氏は、一度発火すると燃え広がり鎮火しなくなる事例が近年多いのは、気候変動による高温化と乾燥化によることは間違いないと語る。山火事によるCO2の排出は深刻で、今年カナダで発生した山火事では2000年代の平均を大きく超える3億トンに迫るCO2が排出され、排出削減や植林の努力を帳消しにしかねない現状となっていると江守氏は指摘する。

 各国はさまざまな地球温高対策を講じているが、IPCC(国連気候変動政府間パネル)の5つのシナリオのうちもっとも楽観的な排出量シナリオでも、今世紀末までに地球全体の平均気温が産業革命前から1.5度は気温上昇することが見込まれている。江守氏はここまで1.1度上昇しただけでも、島嶼諸国などに深刻な影響が出ていることを指摘したうえで、今後対策を加速させる必要があると指摘する。

 環境問題を考える上で、過去に先進国が経済成長するなかで生じた環境問題のつけを現在の途上国が払うなど、地域や世代間の不公平な状態を是正しようとする「気候正義」の考え方が、徐々に広がってきている。他者に対する想像力を持って対策を講じる必要があると語る江守氏と環境ジャーナリストの井田徹治が議論した。

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