今あえて民主党の政権構想を再検証する

マル激トーク・オン・ディマンド マル激トーク・オン・ディマンド (第413回)

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公開日 2009年03月07日

ゲスト

政策研究大学院大学教授

1962年兵庫県生まれ。86年東京大学法学部卒業。92年東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。博士(法学)。埼玉大学大学院政策科学研究科助教授、政策研究大学院大学助教授などを経て、00年より現職。01〜02年ハーバード大学客員研究員。著書に『日本の統治構造』、『政局から政策へ』など。専門は現代日本政治論。

著書

概要

 民主党の小沢一郎代表の公設秘書が逮捕された。事件の詳しいあらましは未だ定かではないが、報道発表によると西松建設からの政治献金を、同社のOBが代表を務める政治団体からの献金として報告したことによる、政治資金規正法の虚偽記載容疑だという。
 次期総理の座に最も近いと言っても過言ではない最大野党党首の公設秘書が、政治資金がらみで司直の手にかかり、その個人事務所が家宅捜査を受けたことの政治的な影響は計り知れない。小沢氏自身は言うに及ばず、政権交代がかかる総選挙が近いこの時期に最大野党の党首の秘書の逮捕に踏み切った検察も、国民に大きな説明責任を負うことだけは間違いないが、そうしている間も、政局は激しく動き始めている。
 しかし、マル激では今あえて激動の政局から距離を置き、民主党の政権構想、とりわけその主張する政策の中身を、政治学者の飯尾潤氏と検証してみることにした。仮に今回の事件で民主党が致命的に傷つき、政権の座が大きく遠のいた場合でも、民主党が政権の座についた時本来実現されるはずだった政策とはどのようなものだったのかを明らかにしておくことには一定の意味があると考えたからだ。また、民主党の政権構想を解き明かすことで、どのような勢力が民主党が政権の座につくことを歓迎していないかも、より鮮明に見えてくるはずだ。
 あまり広く知られていないのが不思議なくらいだが、民主党の政策はかなり斬新なものが多い。この公約が果たされれば、民主党政権では日本は大きく変わることになる。
 民主党の政権構想をいくつかの短い言葉でまとめると、「よりフェアに」「より透明に」「市民参加」「政治主導」「より手厚い子育て支援とセーフティネット」「地方分権」などのキーワードに総括することができる。中学卒業まで一人当たり一律毎月2万6000円の子ども手当や高等学校の無償化など、子育てや教育に手厚い一方で、納税者背番号と社会保障番号を同時に導入し、年金の未納や税金逃れは容認しない姿勢を見せるなど、フェアネスの名の下にやや強面の顔も持つ。
 しかし、より重要な点は、民主党が戦後の日本の国のかたちを根底から変えようとしている点だ。特に官僚依存体質を根本から改めることや天下りの全面禁止、刑事捜査における取り調べの可視化、選択的夫婦別姓、農業者戸別所得補償、死刑廃止を念頭に置いた終身刑の導入、NPOへの税制優遇措置等々、民主党の主張する政策には既得権益と真っ向から衝突するものも多い。更に、米国依存体質をあらため、国連中心外交へシフトすることや、逆に国連安保理の決議があれば、自衛隊の武力行使も可能にすること、靖国に代わる新たな国民追悼施設の建設など、戦後の日本のタブーに踏み込むものも多い。
 飯尾氏は、政権交代の最大の意味は、過去の政策を否定できることにあると言う。過去のしがらみに雁字搦めになった自民党の長期政権のもとでは、しがらみ故に優先順位付けや切り捨てができず、かといって今の日本にはすべての人の要求を同時に満たすリソースがないために、政治が機能不全状態に陥っているというのだ。そして、民主党が公約に掲げた政策を本当に実現できるかどうかもまた、民主党が過去の政治と決別できるかどうかにかかっている。
 大きな正念場を迎えた民主党とは、日本をどう変えようとしている政党なのか。今回の小沢氏の事件は政権をうかがう民主党にとって良い「試金石」になると評する飯尾氏とともに、民主党の政権構想を今あらためて再検証した。

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