日本病の治し方

マル激トーク・オン・ディマンド マル激トーク・オン・ディマンド (第606回)

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公開日 2012年11月24日

ゲスト

大阪府市統合本部特別顧問

1955年長崎県生まれ。80年東京大学法学部卒業。同年通産省入省。経済産業政策課長、中小企業庁経営支援部長などを歴任の後、2008年福田政権下で国家公務員制度改革推進本部審議官、11年退官。同年より現職。著書に『日本中枢の崩壊』、『官僚の責任』、共著に『日本が融けてゆく』、『原発がなくても電力は足りる!—検証!電力不足キャンペーン5つのウソ』など。

著書

概要

 少し前の話になるが、イギリスの高級誌『エコノミスト』(2008年2月21日号)が「JAPAIN」と題する巻頭特集を組んだことがあった。Japan(日本)とpain(苦痛)を掛け合わせた言葉だったが、それ以来「英国病」ならぬ「日本病」の存在は世界にも広く知れ渡ることとなった。

 外国メディアの指摘を待つまでもなく、日本は先進国でも最も早く少子高齢化に直面した。その中で、経済は20年あまり停滞を続けたまま構造改革は進まず、社会も格差や高い自殺率などに喘ぎながら、政治は相も変わらぬ内向きな足の引っ張り合いを続けて無策ぶりを露呈している。結果的に、社会の隅々にまでさまざまな問題が波及し、人心の荒廃も進んでいるように見える。

 問題の中身も所在もわかっている。多くの処方箋も提示されている。にもかかわらず、おのおのが目先の利益や自身の保身、既得権益の護持に汲々とし、改革を実行する意思や勇気が政治にも経済にも社会にも欠如している。そのために、いつまでたっても何も変わらない。何も変わらないまま少しずつ国力は衰え、社会は劣化していく。おそらく「日本病」とはそんな状態のことを言っているのではないか。

 3年前に国民の大きな期待を背負って誕生した民主党政権は、残念ながら大きな幻滅をもって少なくとも一旦はその役割を終えた。民主党政権が機能しなかった背景には、民主党という政治集団自身が抱える問題も多分にあるだろう。しかし、それと同時に、当初民主党政権が未熟ながらも日本病の一部に手を付けようと試みたことで、その病巣が以前よりもくっきりと浮かび上がる結果となった。

 日本病の病巣とは何か。経産官僚として公務員改革などに熱心に取り組み、結果的に官僚機構から排除される形となった古賀茂明氏は、国益よりも省益を優先する官僚機構と、それを制御する能力や意思を持たない政治家、そして日本病の本質を国民に正しく伝えられないメディアの劣化を指摘する。

 特に民主党政権が脱官僚なる試みを行ったために、日本の統治機構内における官僚の専横ぶりが自民党政権時と比べてより鮮明に見えてきた。民主党の脱官僚は準備不足、実力不足、覚悟不足の3点セットで無残にも打ち砕かれたが、例えば、福島原発事故後の東京電力の処理を見ても、より国民負担が軽くなる破綻処理が当然為されなければならないところを、結局東電を税金で存続させる結果となった。政治家は官僚や電力業界から「東電を破綻させたら電力供給が止まる」、「金融・債券市場への影響が大きすぎる」、「被害者への補償が不可能になる」といった説明で脅され、メディアは「東電を破綻させないことのコスト」を正しく報じないため、結果的に税金で東電を救済するという「究極のモラルハザード」(古賀氏)が、衆人環視の下で平然と行われてしまった。

 その多くが東大法学部を卒業し難関の公務員上級試験で優秀な成績を修めたはずのエリート官僚だ。彼らが、なぜ日本病を治療できないばかりか、むしろ自分たち自身がその病原体となってしまうのか。政治はなぜこれを正すことができないのか。国民はこの問題にどう関われるのか。退官した今、官僚機構の外からさまざまな改革提言を行う古賀氏とともに、社会学者の宮台真司とジャーナリストの神保哲生が日本病の治し方を考えた。

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