大震災でも変われない日本が存続するための処方箋

マル激トーク・オン・ディマンド マル激トーク・オン・ディマンド (第779回)

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公開日 2016年03月12日

ゲスト

東京工業大学名誉教授

1948年神奈川県生まれ。72年東京大学文学部卒業。74年同大学大学院社会学研究科修士課程修了。77年同大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。東京工業大学助教授、同大学教授などを経て2013年より現職。著書に『日本逆植民地計画』、共著に『特別授業3.11 君たちはどう生きるか』など。

著書

概要

 東日本大震災から5年が経過した。地震、津波、そして原発事故が重なる未曾有の大惨事ではあったが、それから5年が経った今も、依然として17万人以上が避難生活を続け、原発事故は収束の目途すら立っていない。原子力非常事態宣言さえ解除できない状態のまま、政府は原発の再稼働に突き進んでいる。

 こんなことをやっていて、日本は本当に大丈夫なのだろうか。そろそろ日本のサバイバルを真剣に考え始める必要があるのではないか。震災から5年目の節目に、2週にわたり、日本が生き残るために何が必要かを考えてみたい。

 まず今週は、東京工業大学名誉教授で社会学者の橋爪大三郎氏をゲストに、日本存続のための処方箋を議論した。

 橋爪氏は、5年前の震災は建物や人命に対する損害の甚大さもさることながら、日本の統治機構の根底を大きく揺さぶったと指摘する。政官業の鉄のトライアングルの下、優秀な高級官僚が経済成長を実現し、政治がその利益配分を調整する戦後の日本の統治システムが、もはや完全に機能不全に陥っていることは、誰の目にも明らかだった。

 にもかかわらず震災後の日本は、その根本的な問題と向き合うことさえできていない。向き合うどころか、その後の復興は防潮堤や土地のかさ上げ工事など、旧態依然たる公共事業に頼り、事故の原因究明が不十分なまま、原発の再稼働を優先してしまっている体たらくだ。

 国家の根幹を支える統治システムの機能不全が浮き彫りになっているにもかかわらず、それを手当てすることができないような国に未来はない。

 日本の未来に危機感を覚えた橋爪氏は近著『日本逆植民地計画』の中で、日本を救うための8つの処方箋を提示している。いずれも財源を必要とせず、法律や制度などのソフトを整備するだけで日本の活性化が期待できるという、これまで誰も考えなかった破天荒なアイデアばかりだ。

 橋爪氏の提案は災害に弱い東京への政治・経済の一極集中を緩和し、迫り来る人口減少社会には全く新しい方法で対応していくなど、既存の枠組みに捉われない新しい考え方に基づいたものが並ぶ。その全てが実現可能かどうかはわからないが、従来の官僚機構による原状維持の殻を破り、新しい価値体系を切り開くためには、それくらいの大胆な改革が必要だと橋爪氏は言う。

 あれだけの大災害を経験し、統治システムの機能不全を嫌というほど思い知らされながら、これまでのやり方を変えられないのはなぜなのか。日本が存続するために、われわれは何をしなければならないのか。震災5周年の節目にあたり、ゲストの橋爪大三郎氏とともに、ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。

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