神宮外苑の再開発をこのまま進めてよいのか

ゲスト石川幹子
東京大学名誉教授
東京大学名誉教授


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新宿区に居住する住民と弁護士などが7月25日、新宿区が風致地区条例を変更して神宮外苑の樹木の伐採を認可したことは違法だとして、新宿区を相手取り提訴することを明らかにした。
提訴を前に東京地方裁判所内で会見した原告側の山下幸夫弁護士は、新宿区が神宮外苑の風致地区指定を変更するにあたり、パブリックコメントの募集や都市計画審議会や区議会に意見を求めるなどの民主的な手続きを経なかったことは違法だと指摘した上で、新宿区が2020年2月21日の東京都からの指定変更の要請を受けて風致地区指定を変更したことは、今年2月24日の新宿区議会の予算委員会で初めて明らかになったと語った。
この問題で原告団が訴えを起こす資格があることを示す「原告適格性」について山下氏は、神宮外苑の良質な景観から享受する「景観利益」と、伐採工事によって排出されるCO2排出による被害という2つの点から原告は影響を受けているとした。
原告団長で「未来の子どもたちの笑顔をつくる明治神宮外苑を考える会」の大澤暁氏は、憩いと安らぎのために神宮外苑に植樹した先人の思いを受け継いで将来の世代に残すべきだと語り、今回の伐採認可は民主主義を無視した違法行為だとしてこれを批判した。