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アメリカではなぜ妊娠中絶がそこまで大きな政治的争点になり続けるのか

マル激トーク・オン・ディマンド マル激トーク・オン・ディマンド (第1129回)

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公開日 2022年11月26日

ゲスト

同志社大学グローバル・スタディーズ研究科准教授

1981年東京都生まれ。2003年東京大学教養学部卒業。12年同大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。専門はアメリカ研究。早稲田大学助手、米ハーバード大学日米関係プログラム・アカデミックアソシエイト、関西外国語大学外国学部助教、高崎経済大学経済学部准教授などを経て22年より現職。著書に『戦争違法化運動の時代』、共著に『私たちが声を上げるとき』、共訳書に『リベラリズム 失われた歴史と現在』など。

著書

概要

 空前のインフレ下で行われた先のアメリカ中間選挙共和党有利の下馬評に反して大接戦となったが、最後は人工妊娠中絶が争点となった州の議席を民主党がことごとく押さえたため、両者の痛み分けの結果となった。また、中間選挙と同時にミシガン、バーモント、カリフォルニア、ケンタッキー、モンタナの5州で中絶の是非を問う住民投票が行われたが、5州すべてで中絶の権利を支持する勢力が勝利している。NBCの出口調査によると、先の中間選挙で最も重視したテーマに中絶を挙げた人は、インフレ対策に次いで2番目に多い27%にのぼった。

 2022年6月24日、トランプ前大統領に指名された3人を含む保守派主導の最高裁は、いわゆるドブス対ジャクソンと呼ばれる裁判の判決で、1973年以来50年にわたりアメリカで中絶の権利を保障する根拠とされてきたロー対ウェイド判決を覆し、合衆国憲法は中絶を権利として認めていないとする判断を示した。アメリカ政治を専門に研究し、中絶問題にも詳しい同志社大学の三牧聖子准教授は、今回の中間選挙の結果は、これだけ民主主義を標榜しているアメリカという国で中絶の権利が否定されたことが、特に若い世代に衝撃を与え、それが選挙結果に大きく影響したと指摘する。

 それにしてもなぜアメリカでは、未だに中絶問題が政治的争点となり続けるのだろうか。

 それを理解するためには、中絶の権利を保障してきた1973年のロー判決の中身を知る必要がある。ロー判決には、一つ大きな弱点があった。それはこの判決が妊娠期間を初期3ヶ月、中期3ヶ月、後期3ヶ月の3つに区分する「トライメスター」といわれる枠組みを示した上で、初期3ヶ月は中絶を認め、中期3ヶ月は母体の健康を保護するために州が介入してよいとし、後期3ヶ月は胎児が母体外で生存可能な状態にあることを根拠に、州が中絶を禁止してもよいとしていたことだった。ロー判決が中絶の権利を絶対的なものではなく、妊娠の期間によって変化する相対的なものとしたことで、中絶を禁止したい保守勢力はロー判決以降、様々な条件を付けて中絶の権利を制約していく戦略を採用した。そうして1989年のウェブスター判決や91年のラスト判決などを通じて、未成年の場合は親の承諾を要求することや、州が中絶を思いとどまらせるようなカウンセリングを行うことが合憲とされるなど、中絶の権利に対する制約が次々と課されていった。今回のドブス判決はその集大成であり、最後のダメ押しという性格を持っていた。

 また、保守派の間では、中絶の是非はそれぞれの州が決めるべき問題であり、ロー判決のような形で連邦政府がとやかく言うべき問題ではないとの考えも根強く残っている。

 本来アメリカの世論はリベラル、保守を問わず、中絶の権利を支持する勢力が多数を占めている。そうした状況の下で、最高裁が今回のような世論と乖離した判断を示したことの影響は、今後どのような形で表面化するのだろうか。世界ではカトリック教徒が多数を占めるラテンアメリカ諸国やアフリカの国々を含め、中絶の権利を認める国が大勢を占めている。過去30年間で中絶を制限する方向に進んでいるのは、ロシア中東イスラム諸国くらいだ。こと中絶に関しては、アメリカは今、彼らが最も軽蔑しているはずの専制国家やイスラム国家群の仲間入りを果たそうとしているのだ。同志社大学准教授の三牧聖子氏と、ジャーナリストの神保哲生、社会学者の宮台真司が未だに人工妊娠中絶が政治の主要な争点となるアメリカ政治の現状について議論した。

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