それでも裁判員制度は必要だ

マル激トーク・オン・ディマンド マル激トーク・オン・ディマンド (第408回)

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公開日 2009年01月31日

ゲスト

桐蔭横浜大学法学部長・教授

1960年奈良県生まれ。82年京都大学理学部生物系卒業。86年京都大学大学院法学研究科修士課程修了。パリ第二大学博士課程を経て、91年京都大学大学院法学研究科博士課程修了。京都大学法学部助手、桐蔭横浜大学法学部教授を経て、2012年より現職。専門は法社会学。著書に『安全神話崩壊のパラドックス』『日本の殺人』など。

著書

概要

 賛成、反対の双方のゲストをそれぞれ招き、2回シリーズでお送りしている裁判員制度の再検証企画。裁判員制度に反対する新潟大学大学院教授の西野喜一氏を招いての第1回目(第398回・08年11月15日放送)に続き、2回目となる今回は、裁判員制度の導入を支持する法社会学者の河合幹雄氏を招いて、なぜ氏がさまざまな問題点が指摘される裁判員制度の導入を支持しているのかを中心に議論した。
 河合氏は、刑事司法という狭い範囲ではなく、日本の民主主義全体のメリットを考えたときに、裁判員制度は必要との考えを示す。氏は、現在の日本の最大の問題は、市民一人一人が社会を支えているという自覚に欠けていることであるとの考えを示した上で、裁判員制度の導入によって、市民が否が応でも社会参加を強いられれば、それはひいては日本の民主主義の成長に寄与するだろうという考え方を示す。
 指摘されている裁判員制度の様々な問題点について河合氏は、かなりの部分が運用次第のため、それほど懸念には値しないとの考えを示す。例えば、裁判員制度を導入すると、情緒に流された判決が出やすくなるため、これまでの判例を無視した重罰化の流れが進むのではないかとの懸念については、日本人の気質として、普段はいい加減そうに見える人でも、裁判員に選ばれれば非常に真面目に取り組むので心配はないだろうと言う。そのため、とんでもない判決が出るよりも、むしろ旧来の制度よりも無罪が多くなる「弊害」を懸念すべきだと言う。
 また、透明性を欠いた公判前整理手続や、厳しい守秘義務については、裁判員制度の対象となる殺人事件などは年間で約3000件あるが、被告人が犯行を否認し事実が争われる事件は少ないことを指摘した上で、事実が争われない裁判では、公判前整理手続は重要とならないとの見方を示す。また、裁判員に課せられた厳しい守秘義務についても、詳細が決められていないため、これも運用次第では問題になり得るが、それほど懸念には値しないとの立場を取る。しかし、もしも本当に問題があれば、裁判員は守秘義務を破ってでも民主主義のために声をあげるべきと河合氏は語る。
 河合氏は、裁判員の感情に影響を与える可能性のある被害者の裁判への参加制度には問題があるとの考えを示す。総論で導入に賛成の河合氏から見ても、各論レベルでは裁判員制度にはまだかなり改善の余地は残されているようだ。また、運用次第でやってみなければわからないという部分がかなり多いことも見えてきた。
 それでも裁判員制度は必要との立場を取る河合氏に、制度導入の経緯も含め、ここまで明らかになった裁判員制度の問題点をぶつけた。
(今週は5金にあたりますが、1月は第一週目の放送をお休みしたため、通常の放送を行います。)

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